見た目にも可愛いさくらんぼ。
その名前からして何となく桜の実だとわかりますが、さくらんぼが桜の木になっているのって見たことありますか?
実はさくらんぼは、お花見する桜の木の実ではないんです。
今回は、さくらんぼがなるのはどんな桜の木なのか、また、さくらんぼの名前名前の由来、さくらんぼが有名な県などについて紹介します。
さくらんぼと桜の違いは?
私たちがよく食べるサクランボは、「セイヨウミザクラ(西洋実桜)」という桜の木になる実です。
セイヨウミザクラは、その名の通りヨーロッパ原産で、甘く大きな実がなるように品種改良された桜です。
日本で一般的に桜と言われている「ソメイヨシノ」とは違う品種なんですね。
このセイヨウミザクラは、ソメイヨシノに比べてやや遅く開花して、6~7月頃になると美味しいさくらんぼができます。
ちなみに、ソメイヨシノにも実がなることはなりますが、成熟する前に落ちてしまう上、とても苦くて食べられないそうです。
ソメイヨシノは接ぎ木で増やすというのは、種ができないからなんですね。
というわけで、全国にあるソメイヨシノは、すべて「オオシマザクラ」と「エドヒガンザクラ」の交配によって、たまたまできた1本の初代ソメイヨシノを接ぎ木で増やしたクローンなんです。
さくらんぼの名前の由来は?
「さくらんぼ」というと、何となく桜の木の実だとイメージできますが、どうしてさくらんぼと言うようになったのでしょうか?
実はさくらんぼは漢字で書くと「桜ん坊」と書きます。
「ん」は「の」が変化したもの。
「坊」は「赤ん坊」とか「坊や」とかにあるように、小さい子供の愛称です。
つまり、「さんらんぼう」は「桜の可愛い赤ちゃん」と言う意味なんですね。
さくらんぼうの小さく可愛らしい姿は、坊やというのがピッタリですよね。
その後、さくらんぼうの「う」が省略されるようになって、「さくらんぼ」になったと考えられています。
その他にも、さくらんぼは「桜桃(おうとう)」とも書きますが、これを訓読みすれば「さくらもも」となり、それが訛って「さくらんぼ」になったという説などもあります。
私的には、さくらんぼの可愛い姿をうまく表現している「桜ん坊」説の方が正解であってほしいと思ってしまいます。
可愛いさくらんぼですが、食べ過ぎると下痢になることがあるので注意してくださいね。
その辺りの詳しい話は下の記事で紹介していますよ。
さくらんぼの王様「佐藤錦」の読み方や特徴は?
さくらんぼの代表格と言えば「佐藤錦(さとうにしき)」。
高級さくらんぼとしても有名な佐藤錦の特徴を紹介します。
佐藤錦は1912年(大正元年)に山形県の佐藤栄助さんが「ナポレオン」と「黄玉」を交配させて作った品種とされています。
さくらんぼを加工せず、そのまま食べるようになった昭和50年代頃から多く栽培されるようになりました。
外見は光沢のある鮮やかな紅色で美しく、果肉は比較的柔らかいのが特徴です。
また、味も糖度が14%以上あり甘味と酸味のバランスがいいので、現存の中で最高の品種の一つとされています。
出荷は6月中旬~下旬にピークを迎えます。
さくらんぼが有名な県は?
さくらんぼと言えば山形県が有名ですが、他にはどこで作られているんでしょうか?
農林水産省の作物統計(令和3年)によると、実は日本のさくらんぼの69.9%(9160t)が山形県で生産されているんです。
これに北海道(11.5%)、山梨(7.2%)、秋田(2.7%)が続きます。
さくらんぼが全国的に栽培されるのを難しくしている要因として、霜害、収穫期の雨、強風の3つが挙げられます。
霜が降りるとサクランボのつぼみが枯れて、実ができなくなってしまいます。
さくらんぼは収穫前に雨が降ると、実が割れて出荷できなくなってしまいます。
さくらんぼの木は根が浅くにしか張らないため、台風などの強風で木が倒れてしまうことがあります。
山形県は周囲を高い山に囲まれているので、収穫前の梅雨の時期においても比較的降水量が少なく、また、台風が来ても強風が吹きにくい特徴があります。
また、霜害に関しても、局地的な被害はあっても大規模な被害に見舞われることは少ないようです。
このような地の利に、雨除けハウスを初めとした生産者の努力が合わさって、圧倒的な生産量を誇っているんですね。
まとめ
今回は、さくらんぼについていろいろと紹介しました。
さくらんぼはセイヨウミザクラという種類の桜から取れます。
よくお花見に使われるソメイヨシノなどの桜の木には、美味しい実はできませんよ。
名前の由来は諸説ありますが、桜の赤ちゃんを意味する「桜ん坊」からきていると考えられます。
生産量はさくらんぼの代名詞「佐藤錦」の発祥の地、山形県がダントツで全体の7割を占めています。
さくらんぼは栽培が難しいようなので、高価なのもうなずけますね。