手で皮を剥くだけで手軽に食べられるので人気のバナナ。
バナナが心臓に悪いって聞いたこと、ありませんか?
確かにバナナは、食べ方によっては中性脂肪が増加して、巡り巡って心臓に負担がかかることもあるかも知れません。
でも、うまく取り入れると、血圧を下げて心臓の負担を軽減させる効果が期待できますよ。
今回は、血圧を下げる効果があるバナナの成分や血圧を効果的に下げるにはいつ食べるのがいいのか、また、バナナを控えた方がいい病気について紹介します。
バナナは心臓に悪くない!血圧を下げる2つの成分とは?
バナナには果糖が多く含まれていますが、果糖は血糖値を上げにくい代わりに、エネルギーとして使われずに余った分が中性脂肪などに変換されます。
なので、果糖を摂り過ぎると血液中の中性脂肪が増加して動脈硬化、最終的には心筋梗塞などの心疾患のリスクが高まります。
特に夜遅くにバナナを食べると、寝ている間に中性脂肪に変換されやすいので注意してくださいね。
しかし、これはバナナを食べ過ぎた場合であって、1日に1~2本食べるのは、高血圧の予防・改善に効果的なんです。
バナナには血圧を下げる効果がある2つの成分が含まれています。
まず1つ目はカリウムです。
カリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を促して血圧を下げる作用があります。
カリウムは野菜などにも多く含まれていますが、調理の過程で失われやすい栄養素です。
バナナなら調理せずにそのまま食べるので、カリウムを無駄なく摂取できます。
ちなみに、塩分を摂り過ぎると血圧が上昇するのは、次のような流れからです。
塩分を摂取すると体内の塩分濃度が上昇します。
そうなると、塩分の濃度を一定に保とうと体内に水分を溜め込みます。(むくみの原因)
この時、血液中の塩分を薄めるために血液の水分量も増えるため、血液全体の量も増加します。
しかし、血管の容積は変わらないので、血管内の圧つまり血圧が上昇します。
血管を水風船と考えて、水風船の中の水が増えた時を想像すると分かりやすいかも知れません。
少し話がそれましたが、2つ目の成分はGABA(ギャバ)です。
GABAには交感神経の働きを抑えて、血管の収縮を緩める作用があります。
先ほどの水風船の例で言えば、水風船のゴムを柔らかくして伸ばすイメージですね。
結果的に圧力(血圧)が下がります。
このような作用があるため、適量のバナナを食べることは高血圧を予防・改善して心臓への負担を軽減させる効果がありますよ。
バナナで血圧を下げたい時はいつ食べるのが効果的?
バナナは適度に食べると高血圧の予防・改善に効果があることを紹介しましたが、いつ食べても効果は同じなんでしょうか?
実は血圧高めの人がバナナを食べるなら、朝に食べるのが効果的です。
バナナ自体の血圧に対する効果は、いつ食べても変わりませんが、私たちの体の方にその理由があります。
朝は私たちの体が睡眠から目覚めて活動の準備に入る時間帯で、交感神経が優位になります。
活動に向けて心臓の働きも活発になるので、朝が一日のうちで一番血圧が上がりやすい時間帯なんです。
そんな時にバナナを食べることは、高血圧対策としては最も有効なんです。
おまけにバナナには糖質もたっぷり含まれていて、寝起きでエネルギー不足の脳に速やかにブドウ糖を供給してくれるので、脳の立ち上がりも良くなりますよ。
ちなみに、10日間、朝食にバナナ1本とコーヒー1杯を摂取したところ、血圧が下がったという検証結果もあるようです。
コーヒーには利尿作用で余分な水分を排出する効果の他にも動脈硬化を改善する効果もあるので、高血圧の改善が期待できるそうですよ。
血圧が高く気になっているなら、試してみる価値はありますね。
コーヒーの効果についてはコチラの記事にまとめられていますよ。
バナナを食べてはいけない病気とは?
バナナが心臓に悪いということはありませんが、腎臓の機能が低下している人は注意が必要かも知れません。
バナナにはカリウムが多く含まれていて、調理せずに食べることが多いので、無駄なく摂取できます。
通常、余分なカリウムは尿として排出されますが、腎機能が低下しているとカリウムの排出がうまく行かずに、血液中のカリウム濃度が高くなります。これを高カリウム血症といいます。
高カリウム血症になると、筋肉の収縮がうまく調整できなくなって、倦怠感や悪心などの症状が現れ、重篤な場合には不整脈を起こしたり、心停止する恐れもあるので注意が必要です。
まとめ
今回は、バナナは心臓に悪いのかやバナナを食べるタイミング、バナナを食べてはいけない病気について紹介しました。
バナナは大量に食べなければ心臓に悪いということはありません。
むしろバナナには血圧を下げる効果があるカリウムとGABAが含まれているので、毎日1本食べることで高血圧を改善できる効果が期待できますよ。
ただし、腎機能が低下している人は、カリウムの摂り過ぎで高カリウム血症になる可能性があるので注意が必要です。