近年、血圧の上昇を抑えたりストレスを和らげたりする物質として注目されているGABA。
そのGABAが含まれているGABAバナナなるものもスーパーなどで見かけますよね。
GABAバナナはどうやって作られているのでしょうか?
GABAを生産するように遺伝子組み換えしているんでしょうか?
そこで今回は、GABAバナナが遺伝子組み換えかどうか判別できるのか、またGABAバナナはどうやって作られているのかについて紹介します。
バナナが遺伝子組み換えかどうかを見分ける方法とは?PLUコードでは無理!
一年中手に入って値段も安いので、手軽に食べられるバナナ。
最近では、GABA含有を前面に出したバナナも売られていますよね。
GABAが含まれているということは遺伝子組み換えか何かなのかな?ってちょっと気になったりしませんか?
バナナが遺伝子組み換えかどうかを調べるにはどうすればいいのでしょうか?
結論としては、現状、我々消費者がバナナが遺伝子組み換えかどうかの判別することは不可能と思われます。
日本において、遺伝子組み換えの表示対象は、豆腐や味噌などの大豆製品、コーンスターチやコーンスナック菓子などのトウモロコシ製品、ポテトスナック菓子などのばれいしょ利用製品、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、そして パパイヤ原料食品の8作物 33 品目しかありません。
これは食品衛生法において、「製品中に組み込まれた遺伝子やタンパク質の残留が一定程度あり、検出可能なこと」が表示対象の条件となっているからのようです。
バナナには表示義務がないので、仮に遺伝子組み換えバナナであっても表示する必要はありません。
また、調べているとPLUコードと呼ばれるラベルに記載されている5桁の番号の先頭の数字が8の作物は遺伝子組み換えであるとの記事が多数ありましたが、これは間違いです。
PLUコードを管理しているIFPS(International Federation For Produce Standards)のHPを見てみると、農産物の4桁および5桁のPLUコードは、3000、4000、83000、および84000シリーズ内の一連の番号内でランダムに割り当てられるようです。
また、3000および4000シリーズが使い終わった後に83000や84000シリーズが割り当てられるようです。
これらのコードの各桁の数字には特に意味はないようです。
ただし、5桁番号の先頭の数字が9、つまり93000と94000シリーズは有機農産物を識別するために使用されています。化学肥料などを使わずに有機栽培された農作物ということですね。
実は、もともとは遺伝子組み換え作物に対応する番号として8が用意されていました。しかし、小売店で実際に利用されることがなかったため、遺伝子組み換え作物の番号ではなく、一般のコードとして使うことにしたようです。(情報元HP; https://cpma.ca/industry/supply-chain-efficiencies/coding-identification-in-canada/plu-codes)
この情報がうまく伝わっていないために誤解を生んでしまったようですね。
現在の日本では、遺伝子組み換え農作物は、加工用と飼料用として輸入されるため、遺伝子組み換えバナナは流通していないと思われます。
Gabaバナナはどうやってできるのか?
ところで、GABAバナナはどうやって作られているのでしょうか?
私は、GABAを作るように品種改良されたバナナかと思っていました。
実はバナナは、実が成長するにつれて、実に含まれているグルタミン酸の一部がGABAに変化するそうなんです。
GABA含有表示されているバナナが特にGABAが多いというわけではなく、バナナにはGABAが含まれているものらしいですね。
つまり、機能性表示ができるように消費者庁に届け出をしたバナナがGABAバナナとして売られているということです。
じゃあ、普通のバナナと変わらないの?って思いますよね?
機能性表示されていないバナナにどれくらいのGABAが含まれているかは分かりませんでしたが、機能性表示の届け出をするからには、GABAの含有量についても定期的に測定して確認する必要があります。
農作物と言えども、天候や栽培方法などで含有成分は変化します。
その点、GABAと表示があるバナナはGABAの含有量についても品質管理されているので安心ですね。
Gabaの効果とは?
最後に、GABAの効果について少し紹介したいと思います。
GABAとはアミノ酸の一種で、ガンマ・アミノ酪酸(らくさん)と言います。
GABAには次の2つの効果があります。
- 血圧を下げる
- ストレスを和らげる
GABAバナナにも血圧を下げる効果があると書かれていますよね。
実は、このどちらもGABAのノルアドレナリンの分泌を抑える効果によるものです。
人は興奮状態になると、ノルアドレナリンという物質が分泌され、この物質には血管を収縮させる作用があります。
その結果、血液の流れる道が狭くなって血圧が上がります。
GABAには、このノルアドレナリンの分泌を抑える作用があるので、血管の収縮を抑えて血流を改善し、血圧を下げる効果があります。
GABAは血流を改善するので、脳への酸素供給量を増やしたり、脳細胞の代謝を高めたりする働きもあります。
その結果、脳の興奮を鎮めてストレスを軽減したり、リラックスさせる効果があるんですね。
まとめ
今回は、スーパーなどでもよく見られるGABAバナナについて紹介しました。
今のところ、遺伝子組み換えのバナナは流通していないと思われます。
GABAはバナナの実が成長するにつれてバナナに蓄積されるものなんですね。
GABAは血圧を下げるだけじゃなく、ストレスの緩和にも効果があるようなので、高血圧じゃなくても活用したいですね。
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